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水中貯木乾燥の検証

掲載日:2017年8月22日

今春から検証を進めている「水中貯木乾燥」のその後の経過をお知らせします。

私たちは木材の乾燥方法を改良することにより、従来の乾燥方法(人工乾燥・天日乾 燥)で解決できなかった、”木の割れ・反り”を抑える効果が期待できることに加え、木材の発色や強 度にも良い影響があるのではないかと考えています。

前回検証した水中貯木乾燥(10mm厚の丸太輪切材)では、割れ・反り・発色・強度どれをとっても期待通りの結果を得ることができました。100%ではありませんが、反りや割れの発生確率は1%を大きく下回りました。

今回は、20㎜と30㎜の板材を水中貯木させ、その後に天日乾燥する方法を試しています。
幼保施設から可動棚30台の制作依頼をいただいていて、その材料として使用するアカマツ・クリ・イチョウの丸太を乾燥させています。

余談ですが、伐採した木は、南三陸町にある製材所で「丸っ挽き(樹皮付)」という挽き方をしてもらっています。
家族経営の小さな製材所で、小ロットから対応してくれて大変助かっています。

現在貯木している木材は2週間水中に浸す予定です。
その間にタンクの水を4回交換します。
木を沈めると木の中のゴミや樹液など不純物が出て水が汚れてしまうためです。

流れがある川の水を利用することができれば、タンクの水を交換することなく常にキレイな水を保つことができるのかもしれません。

2回目の時に、水中乾燥用に貯水タンクを新たに3台導入しました。
長さ220cm×幅100cm×深さ60cmサイズ1台、長さ170cm×幅120cm×深さ80cmサイズ2台で排水用の開閉栓も取り付けてあります。

板を沈める重石も漬物樽や水を満杯にしたバケツなど使い、板が浮かないように工夫しました。
約3週間ほど水中乾燥した後、2週間ほど天日乾燥したところ、反りや割れを防ぐとこができました。
含水率は20mmのクリ材で15〜17%、30mmの天然アカマツで17〜19%で通常よりも早く乾燥させることができました。

手間暇はかかりますが、乾燥方法を改善することで品質の良い木材に仕上げることができます。
水中乾燥させた品質の良い木材を使って製品を制作することで差別化を図、「木の出口」を増やすことで間伐材の有効活用させる活動をさらに広めたいと考えます。

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