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FOREST PRESERVATION 森を守り育てる 森林保全活動

きれいな水と空気をつくる森林

日本は国土の約67%が森林におおわれた世界有数の森林国であり、フォレストサイクル元樹が拠点としている宮城県も約57%が森林です。
その多くは個人所有の森林ですが、最近では手が行き届かず整備されないままの森林を見かけるようになりました。
外国産木材の輸入が増えたことで木材の低価格化が進んだこと、日常生活の中で木を使う機会が少なくなり、森を身近に感じることができなくなったことで林業が元気をなくしているのです。

岩手県岩泉町での森林整備活動

岩泉町は町の多くを山林が占めています。岩泉町の森の特徴の一つが、様々な種類の広葉樹が見られることです。フォレストサイクル元樹ではこの岩泉町の森林整備活動のお手伝いをしております。岩泉町での活動の様子をブログで発信しておりますのでぜひご覧ください。

岩泉町での活動報告

自伐(じばつ)循環型林業を目指して

整備された森、荒れたままの森

キャンプや観光などで一般の皆さまが訪れる森林や国定公園などは、日頃からしっかりと管理・整備された美しく健康な森林です。
ですが、普段何気なく通り過ぎている山々に足を踏み入れたことはありますか?
その中には所有者ですら入ったことのない山も多く、整備されないまま昼間でも地面に陽が届かない薄暗い森林が広がっています。

「植林」をする前にまずは「間伐」

林業が低迷し、元気をなくした森林が全国的に増えています。
「木を伐る=森を壊している」と誤解されている方も多いようなのですが、森林を守るためには整備が必要であり、その整備のひとつが「間伐」という木を伐る活動です。
多くの方が参加して木を植える植林イベントが紹介されることもありますが、その植林活動をするために、まずは間伐活動が必要なのです。

  • 伐倒

    伐倒

  • 伐倒

    伐倒

  • 枝払い

    枝払い

  • 玉切り

    玉切り

戦後、国策で全国的にスギの植林が実施されました。その時の樹木が伐採の時期を迎え、多くの森が間伐活動を待っています。
フォレストサイクル元樹では、私有林をお持ちの山主と契約して森林整備を実施しています。山主の皆さまからは費用は頂かず、森林整備で伐った木を貰い受け、素材として出荷するほか、薪や木工製品の原材料にするなど「間伐材の活用」を行っています。

「間伐」の前にしなければいけないこと

森林整備の基本は「間伐した樹は搬出する」ですが、伐った木を集めて森林の外へ運び出すのは大変な作業であり、費用もかかります。森林を所有する個人やNPOなど小規模事業者にとっては大きな負担となり、整備されないままの森林が増えてきた大きな要因のひとつです。
間伐を実施する前に「伐った木をどのように活用するか」という“木の出口”を明確にして、機材の購入やメンテナンス・燃料・人件費などの必要経費をまかなう仕組みを確立する事が重要です。継続して森林を整備する為には必要な事です。

土場集積

これまでは製材会社など木を扱う企業様が間伐材の受け入れ先になっていましたが、ガーデニングやDIYなど一般向けの販売形式を検討したり、私たちフォレストサイクル元樹が自ら生木を使った木工製品を開発して販売したり、木育活動を実施して皆さんに「木」を身近に感じてもらい、木の消費を増やしていきたいと考えています。
「危険」であるからこそ「安全」に

森林内で大きな立ち木が倒れていく迫力ある姿は、自然への畏怖を感じます。
日頃から森林整備活動を行っているフォレストサイクル元樹のスタッフも、常に「危険」を意識して活動に取り組んでおり、技術の向上と経験を積み重ねていくことで「安全に危険と向き合う手段」を身につけていきます。
ベテランの作業員でさえ、ちょっとの油断で事故を誘発してしまうこともあるのです。

軽架線・ウィンチ集材

フォレストサイクル元樹では重機は使用せず、「ウインチ」と呼ばれるロープを使った動力機械を使用しています。
万一の破断を考慮してワイヤーの使用は避け、作業はロープを活用しながら実施しています。

自伐循環型林業の仕組みづくり

「自伐循環型林業」とは、限られた森林を管理しその限られた森林から持続的に収入を得ることで、森林整備の継続できる林業です。
個人やNPOなど小規模な林業では、限られた装備のなかで少しでも利益を得て、それを元手に森林整備を継続していく仕組みづくりが必要です。
林地残材も上手く活用するなど、これまでの林業経営の視点にとらわれない「木の出口」を模索し、さまざまな立場の人びとと連携しながら、木育活動により木を使ってくれる人を増やし、木の需要拡大を目指していきます。

搬出・搬入

また、フォレストサイクル元樹では「間伐材ステーション」の運営や、「間伐材工房 元樹」で木のおもちゃなどの製作や、木育活動を通じて木と皆さまをつなげていく新たな仕組みづくりにチャレンジしています。

イグネ伐採

平坦な地域に建てられた農家や民家などでは、風や雪から家屋を守る目的で樹木を植えて屋敷林を形成しています。仙台平野ではその屋敷林を「居久根(イグネ)」と呼んでいます。
大きくなりすぎて倒壊の危険がある、陽あたりが悪くなったなどの理由から、伐採を希望される方もいらっしゃいます。依頼先の業者によっては費用がかかり過ぎることもあり、フォレストサイクル元樹に依頼をくださる場合があります。伐採後の樹木の処理にお困りの場合は、フォレストサイクル元樹で樹木を引き取り、森林の間伐材と同様に、有効な資源として活用させていただきます。

山仕事の道具

エンジンが付いたチェンソーや刈払い機のほかにも、手作業に欠かせないのがトビ口や手斧などの道具です。作業を安全に行うためには、道具選びや道具を知ることも大切です。

鉈・鉞・手斧・各種鎌・トビ等:山崎鍛冶

フォレストサイクル元樹の山仕事や薪作りで使う道具は、秋田県の鍛冶屋さんに製作をお願いしています。
初めて製作をお願いしてから10年近くのお付き合いになりました。いつも使いやすい形や重さに仕上げてくれるので、安心して作業に取り組めます。
鍛冶職人さんも後継者不足などの課題に直面しています。難しい状況の中モノづくりへ真摯に向き合う姿は、フォレストサイクル元樹の活動と共通点も多く、その思いが道具からも伝わってきます。

秋田県鹿角市 山崎鍛冶

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